facebook instagram pinterest search twitter youtube whatsapp linkedin thumbup

サイクルシンキングトレーニングのベネフィットは何か?

サイクルシンキングトレーニングは現在海外で非常に人気ですが、この種のトレーニングは実際には何をするのでしょうか? 月経周期に従って運動を計画し、それに応じて運動を最適化する必要があるのでしょうか?

サイクルシンキングはトレーニングに有用なのか?

女性の体は28日周期でホルモンが変動します。 血液中のホルモン濃度が高い段階と、ホルモン濃度が低い段階が交互に起こります。 これらの段階は、体内の多くのプロセス、さらにはエネルギー代謝を含むさまざまな種類の代謝に影響を与えます。

そこで、トレーニングを月経周期と同期させるというアイデアが生まれました。 簡単に言えば、トレーニングを月経周期の各段階(体調)に適応させることを意味します。

月経周期には次のような段階があります。。:

  • 卵胞期: 長さはさまざまですが、通常は月経周期の 1 ~ 14 日目で、月経の初日に始まります。
  • 排卵期:通常14日目頃に起こりますが、変動する場合があります。
  • 黄体期:通常、周期の固定された 14 日間の部分で、通常は 14 ~ 28 日目で、新しい月経周期が始まると終了します。

生理周期のどの段階にどの種類の運動が適しているか、またどのような運動を避けるべきかについてを、すでに目にしているかもしれませんが、一部の誤った情報の例としては、次のようなものが挙げられます。:

  • 筋力トレーニングは排卵の前後にのみ試してください。
  • 黄体期にはHIITを行うべきではありません。
  • 月経の少し前には、体力レベルが最大 50% 低下します。
  • 生理中は軽い運動にとどめ、筋力トレーニングは行わないでください。

しかし事実として、現時点では、月経周期の段階に関連した科学的に裏付けられたトレーニング推奨事項はありません。 たとえば、フィットネスに関する推奨事項として人気があるにもかかわらず、ヨガとウォーキングを周期の黄体期にのみ行うべきであることを示唆する研究はありません。

それどころか、多くの女性は身体活動に関するWHO(国際保健機構)の推奨値さえ満たしておらず、通常あまり身体を動かすことなく、このような根拠のない情報に左右されています。

それは、現在文献が非常に複雑であるためです。 一部、女性のトレーニングやスポーツのパフォーマンスが黄体期に多少低下する可能性があります。 ただし、一概にそうとは言えませんので、個別に判断する必要があります。

周期を通して変化に気づいたとしても、あなたの個人的な経験が意味が無いということではありません。しかし、一般的に各サイクルごとに特定の運動を推奨することはできません。 それよりも、トレーニングの基礎を重点的に行った方が良いでしょう。 それでも必要な場合は、自分の周期を知り、この記事のヒントを活用してください。

活動的な女性の身体的重要指標トップ5

運動を月経周期と同期させる前でも、健康な体と身体的な周期のための基本を確実に満たしていることを確認する必要があります。 これらには、女性の身体的活動の重要指標トップ5が含まれます。:

  • カロリー
  • 炭水化物
  • タンパク質
  • トレーニング負荷
  • 睡眠と回復

カロリー

身体的に活動的な体はエネルギーを消費します。エネルギーは常に補給されなければなりません。

スポーツをする女性にとって最適なエネルギー供給量は、体脂肪を差し引いた残りの体重である除脂肪体重1kgあたり40~60kcalです。 たとえば、体重 70 キログラム、体脂肪含有量 20% の運動的な女性の場合、除脂肪体重は 56 キログラムになります。

最小エネルギー必要量を決定するには、この値に40~45 を掛けます。 そのため、1日あたりの必要カロリーは約2,500kcalとなります。 運動量が多い場合であれば、この値は 3,300 kcal 以上に増加する可能性があります

プロのアドバイス:ダイエット中であっても、RED-S (スポーツにおける相対的エネルギー欠乏症) のリスクが高まるため、除脂肪体重 1 kg あたり 30 kcalは摂取してください。

炭水化物

炭水化物は主に持久力が必要なスポーツで燃焼されます。 十分なエネルギーを摂取していても、炭水化物の供給が不十分だと、サイクルが乱れパフォーマンスが制限される可能性があることが既に証明されています。

炭水化物の正確な 1 日の必要量は個人によって異なり、激しい運動時には体重 1 kg あたり最大 5 ~ 7 g が必要になる場合があります。 ただし、毎日少なくとも130〜150gを摂取する必要があります。

例外として、厳格なケトジェニックダイエット(糖質制限ダイエット)では、継続的に摂取する1日あたりの必要炭水化物摂取量は40~50 g未満となります。

タンパク質

アスリートにとって、毎日体重1kgあたり1.2〜2.2gのタンパク質を摂取することは不可欠です。 この摂取により、体が適切に再生し、破壊された細胞組織を再構築できるようになります。

トレーニング負荷

サイクルに従ってトレーニングを行いたい場合でも、毎週全く異なる方法でトレーニングするべきではありません。 7 日毎に全く異なるトレーニング刺激に耐えるのは、体に不必要なストレスを与えることになります。

基本的なトレーニング計画は同様にし、トレーニング負荷は現在のパフォーマンス・体力レベルと一致する必要があります。

睡眠と回復

身体的に活動的な女性の重要指標トップ5 には睡眠と休息も含まれます。 つまり、常に次のものが含まれることになります。:

  • トレーニング計画に含まれる休息日
  • 積極的なストレス管理
  • 毎晩7~9時間の質の高い睡眠

サイクルシンキングトレーニング:どのような仕組み?

以上の基本を理解した上で生理周期に合わせてエクササイズに取り組みたい場合のヒントやコツもたくさんあります。

1) データを集めて自分の状況を理解する

自分の生理周期に従ってトレーニングを構成する最も適切な方法は、自分の体調やパターンに適応することです。

これを行うには、まず数か月間データを収集します。トレーニング中や日常生活中の主観的な感情にも注意を払いつつ、体調やパターンを記録します。Polar スポーツウォッチを使用すれば体調・パターンを記録・認識できます。

Polar Flowの指標に関して言えば、おそらく以下のことに興味があるのではないでしょうか:

  • 安静時の心拍数
  • 心拍変動
  • 睡眠・自律神経分析
  • 夜間皮膚温
  • トレーニング時心拍数

また、Polar Flow のトレーニングノートに各トレーニング セッションの主観的に感じた運動量を記録することもできます。

原則として、あなたの生理周期はこれらすべてに影響を与える可能性があります。このすべてのデータに何らかのパターンがあることに気づきましたか?

Polar Ignite 3

2)心拍数と自分の感じた体調に基づきトレーニングをする

心拍数に基づいてトレーニングを行うことで、トレーニングの強度を効果的にコントロールすることが可能です。 これにより、トレーニングの量と強度が現実的で、あまり大きく変動しないようにすることができます。

この方法は、生理周期のせいで体力が落ちていると感じている場合にも役立ちます。 この場合、意識的にトレーニングの強度を下げることができます。

自分の主観的な感覚を使用することもできます。 特に筋力トレーニングに関しては、必要に応じて運動内容を調整するのに役立ちます。

既に実証済みの重要な指標は自覚的運動量 (RPE) です。 RPEの指標は 6から20まであり、より頑張るべきか、現在のペースを維持すべきかを推定できます。 この指標に注意を払うことで、調子の悪い日でも強度や回数を調整できるようになります。

3) 食事を調整する

食事は、トレーニング中の生理周期関連の症状に最も大きな影響を与えます。 いくつかの簡単なコツを使用することで、パフォーマンスの低下を防ぎ、身体を効率的にサポートすることができます。:

  • 黄体期にはエネルギー摂取量を少し増やしてください。この間に基礎代謝率は2〜12%増加します。
  • トレーニング中は炭水化物を摂取しましょう。
  • 一日を通して十分な水を飲みましょう。
  • 生理周期関連の疲労にはカフェインを摂取してください。

4) トレーニング中のちょっとした調整

必要な場合は、トレーニングを微調整することができます。 たとえば、生理周期の終わりに向けて追加の休息日をとったり、生理周期中に最も体力が落ちたと感じるときに回復週間を取り入れることができます。

これは、スポーツやトレーニングの計画を完全に変更するではなく、むしろ少しの変化であることを忘れないでください!

5)好奇心を持ち、自分自身を知るようにしましょう

トレーニングを自分の生理周期と同調させたい場合は、好奇心を持ち自分自身を知り続けてください。

同じ周期は2つとありません。 人は変わり、自分が置かれている状況も変わります。 これらすべてがあなたのエネルギーレベル・やる気と健康に影響を与える可能性があります。 Polar スポーツウォッチで、トレーニングと睡眠の客観的なデータを継続的に記録し、主観的な観察に基づいて必要な変更を加えましょう。

サイクルシンキングトレーニング: まとめ

サイクルシンキングは興味深い話題です。 しかし残念ながら、それに関する多くの情報や主張は科学的には立証されていません。

この方法を適用する前に、すべての女性アスリートは、エネルギー摂取、炭水化物、タンパク質、トレーニング計画、回復などの基本を最適化する必要があります。

生理周期に基づいてトレーニングを行いたい場合は、自分の体をより良く知り、リズムを記録・観察することから始めます。 Polar スポーツウォッチは、自身の体調のデータのパターンを確認するのに役立ちます。 さらに、上記のヒントは生理周期に関連した症状にも役立ちます。

参考出典リンク(英語)

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphys.2020.00517/full

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32661839/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34047411/

こちらの記事が気に入ったら、せひSNSでシェアしてください。

ポラールのブログで紹介される内容は、必ずしも全ての方に当てはまるわけではございません。新しいトレーニングを試す際には、事前に医師やトレーナーと相談してください。

お見逃しのないよう、ぜひニュースレターにご登録ください!